星の砂漠 タルシャス・ナイト
- 2007/11/27(火) 00:00
- 本
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前々から欲しかった船戸さんの漫画です。
初出は1997年とちょっと古めの作品ですが、やっぱり美しい絵です。
船戸さんの漫画というのは、繊細な絵ですべてを語っていて、モノローグがほとんどないのが特徴だと思います。海外の映画によく見られる臨場感にあふれた多重構造の会話が多く使われています。
ちょこっと解説してみると、たとえば「…マナちゃん、ウチに来る度眠ってるんだけど」という沢渡の質問に健司が「なァ設問2」と勉強の話ではぐらかし、「a.a.b.c.a.――どうしてかな」と沢渡がもう一度訊く、というシーンがあります。
双子の弟である健司は、愛美が沢渡に懐いていることに嫉妬している。だから沢渡の前でだけ安心して愛美が眠るだなんてことは意地でも言いたくない。だから全く関係がなくかつ学生として正当な勉強の話題で無理矢理の話をそらそうとするんですね。しかし沢渡はいとも簡単に問題をやっつけて健司の目的を鮮やかに粉砕しつつ、同じ質問を投げかける。ここで沢渡の頭の良さとちょっとした性格の悪さが伺えるというわけですねー。
ちょっとクセがあって初見の方には読みづらいかもしれませんが、二度、三度読んでみると独特のシナリオ運びに引き込まれるはずです。


